年が明け、体の調子を整える三連休
こんにちは、40代独身フリーランスのユキマツリワラコです。
お正月明け、仕事始めを終えてからのありがたい三連休も今日でおしまい。
年末年始に食べ過ぎてしまったという方も多いと思いますが、体の調子はいかがですか?
私も年末から少々食べ過ぎが続いていたので、いまは胃腸の調整中。
今日は、こんな時期にもぴったりで、これからの生活にも必読の一冊をご紹介したいと思います。
慣れない一人暮らし、食事作りが苦痛になってしまった私
みなさんは、自炊していますか?
私は10年ほど前から一人暮らしを始めたのですが、最初に困ったのが食事のこと。
母が亡くなったことをきっかけに実家を出たのですが、料理をろくに教わらずにきた私。
もっと教わっておけばよかったと後悔しつつ、食事作りに四苦八苦する毎日を送っていました。
慣れない一人暮らし、仕事が忙しくて時間もない。
だけど、食事はしなくてはならない。
食事をするなら栄養バランスのとれたものを作らなくちゃ。
外食はあまり体に合わないので、食事はなるべく自分で作りたいと思いつつ、
頭の中には母の手料理が浮かびますが、母に聞くことも、自分で再現することもできません。
インターネットで調べたり、料理本を眺めたりしながら、今日は何を作ろうと考える。
けれど、次第に考えることも面倒になり、だんだんと食事作り自体が苦痛になってきてしまいました。
そんなある日、一人暮らしを始めて2年が経った頃。
書店で出会ったのが、今回ご紹介する『一汁一菜でよいという提案』でした。
自分の食や生活を見つめ直す一冊
料理研究家・土井善晴先生の名著『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社、2016)。
この本はレシピ本でも、健康法を紹介する本でもありません。
毎日の食事のこと。
作る人と食べる人の関係。
そして、日本人の生き方。
これらについての土井先生の考察を通して、自分の食や生活そのものを見つめ直すことができる一冊です。
一人暮らしの食事で悪戦苦闘していた私。
読み終えた時には、
- 自分が食事に何を求めていたのか
- これからどうしていけばいいのか
その輪郭が、はっきり見えた気がしました。
当時の私は、心に留まった文章に赤い線を引きながら本を読んでいました。
「生きることと料理することはセットです」
「暮らしにおいて大切なことは、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる生活のリズムを作ることだと思います」
「基本となる食事のスタイルを持てば、暮らしに秩序が生まれます」
赤い線が引かれたこれらの文章を読み返すと、当時の自分の気持ちが思い出されます。
この本に出会わなかったら、今の私はありません。
食事とは何か、料理とは何かを教え、今の私の生活の土台を築いてくれた大事な本です。
一汁一菜とは、食事の基本型
土井先生の提唱する一汁一菜とは、「ご飯を中心とした汁と菜(おかず)」のこと。
「ご飯、味噌汁、漬物」を原点とする食事の型、スタイルのことを指しています。
- 日本人の主食であるご飯
- 野菜やたんぱく質をたくさん入れた具沢山の味噌汁(味噌は発酵食品)
- 野菜を塩漬けして発酵させた漬物
これを基本のスタイルと考えれば、毎日の食事は難しくなくなるよ、という教えです。
ご飯を炊くのは何てことない。
そうか、野菜やお肉、お魚も、味噌汁に入れてしまえばいいんだ。
漬物は、とりあえずスーパーで買ったものでもいいよね。
私でもできそうだ。
そう思って実践してみると、今までの食事の悩みが嘘のように消えていきました。
炊いたご飯があれば味噌汁を作るだけ。
10分もあれば食事の支度は済んでしまいます。
おまけに、味噌汁にいろいろな食材を入れれば栄養バランスも十分です。
私の頭は毎日の食事を考えることから解放されて、仕事にも集中できるようになりました。

一汁一菜を実践してよかったこと4つ
ここからは、私が一汁一菜を実践してよかったことを4つに絞ってお伝えしたいと思います。
まだ一汁一菜は試したことがないよ、という方の参考になったら嬉しいです!
① 食事作りのストレスがなくなった
「食事はいつも一汁一菜」と決めることで、献立を考える必要がなくなり、食事作りがラクになりました。
基本的に、食事は1日3回。
毎日、毎回、何を食べようかと考えることは、意外にエネルギーを消耗する行為です。
料理が好きで、料理を楽しめるのなら、考える過程も作る過程も楽しいと思います。
でも、そうでない場合は日常生活の負担になりがち。
いつも一汁一菜と決めておけば、何も考えずに食事を作ることができます。
そして、味噌は多少濃かったり、薄かったりしても、それなりにおいしく食べられるのがすごいところ。
土井先生のおっしゃる通り、自然の力で生み出される発酵食品の味噌は、毎日食べても飽きない。
余計な味つけをしなくても素直においしくなってくれます。

② 食卓が豊かになった
不思議なことですが、一汁一菜にしたことで、かえって食卓に豊かさを感じられるようになりました。
食事のスタイルがシンプルになったことで、食材をきちんと見たり、小さな変化に気づいたりできるようになったのかもしれません。
味噌汁の具材は、春は新じゃがいもやスナップえんどう、
夏はミョウガや大葉などの薬味をあしらって。
秋はたっぷりのきのこ、冬は大根や白菜、青菜など。
食材が変わることで季節の変化を感じることができ、それだけで食卓が豊かになります。
そして、「ご飯・味噌汁・漬物」以外にも、納豆や焼き魚をつけたりするだけで食事は賑やかになります。
余裕のある時は、ポテトサラダや切り干し大根の煮物など、簡単な副菜を作り置き。
一汁一菜にそれを添えるだけで、とても楽しい食卓になります。

③ 食材の無駄がなくなった
一汁一菜を実践してみて、味噌汁はなんでも受け止めてくれる懐の深い料理だと気づきました。
冷蔵庫にある野菜や油揚げ、お豆腐など、どんな組み合わせでもおいしくいただくことができます。
具沢山の味噌汁には、冷蔵庫に残っているもの何でも入れてOK。
ある時、事務所での飲み会で余った唐揚げを翌朝の味噌汁に入れてみたことがありましたが、何だか妙においしかったのを覚えています。
食材の無駄が出ないことはもちろん、その時々、実験のように「これはどうかな?」と試してみるのも楽しみのひとつです。

④ 自分を思いやれるようになった
この本には、作る人と食べる人の関係を考察している章があります。
土井先生によると、家庭料理では、作る人と食べる人との間に「与える」「受ける」「返す」「受け取る」という「無意識も含めた無限の情報のやりとり」が発生するといいます。
そして、このやりとりの中には、その時の作る人の状況(季節や天気、精神状態、材料、時間など)やそれまでの経験がある。
また、食べる人の方にも、その時の体調や気分など、さまざまな要素、状況、条件などが含まれている。
その上で作られた料理を食べたり、食べた感想を受け取ったりする。
このようなやりとりで家庭料理は成り立っているといいます。
本では、母親と子どもの関係が例に挙げられていますが、私は、一人暮らしの場合でも同じことが起きていると感じています。
自分のいる状況を前提に、体調や気分をみながら、今日はどの食材を使おうか、どのくらい火を通そうかと考える。
それを食べて「おいしかった」「今日はイマイチだった」と感じる。
その感想を自分で受け止める。
そしてもう一度、自分の体調や気分を確かめる。
例えば、体調がすぐれないけど、仕事が忙しく、朝は少しでも食べなくちゃ、という時。
冷蔵庫から、消化にいい大根とお豆腐を選び、ご飯も一緒に煮て、雑炊にして食べる。
自分の体調に合わせた食事を作ることができ、それを食べられたことの安心感と満足感を自分で感じる。
今日も何とかやれそうだな。
自分で料理して食べることで、安堵と少しの自信を持って仕事に出かけることができます。
これも、一汁一菜というシンプルな型にしているからこそ。
料理することや食べることばかりに気を取られず、自分と対話し、自分を思いやれるようになったように思います。
お料理することは自分を大切にすること
この『一汁一菜でよいという提案』は、家族のためにお料理をしているたくさんのお母さんたちを救ったと言われています。
けれど、この本の嬉しいところは、土井先生が一人暮らしの私たちのことも忘れていないことです。
自分自身を大切にしたいと思うなら、丁寧に生きることです。一人暮らしでも食事をきちんとして欲しいと思います。そうすることで、自分の暮らしに戒めを与え、良き習慣という秩序がついてくるのです。
どうぞ踏ん張って下さい。(後略)
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』p. 39
自分だけのために、料理を作り続けるってなかなか難しい。
でも、「いつも一汁一菜」と決めれば、できそうな気がしませんか。
私は「一汁一菜」と決めたことで心にゆとりができ、食事を楽しんだり、自分と対話したりして、自分を大切にすることの喜びを知ることができました。
土井先生は『おかずのクッキング』(テレビ朝日、2022年2/3月号)でも、一人暮らしの私たちに向けてメッセージを寄せています。
「自分で料理して食べることは何よりも自分を大切にすることです」
「どうぞお料理という行為を信じてください」
お正月明け、仕事のある日常に戻り、食事作りが負担になっていませんか?
年末年始の特別な食事の後、体調を整えるときにも一汁一菜はぴったりです。
土井先生の『一汁一菜でよいという提案』。
自分を大事にしたいと思うあなたに、ぜひおすすめの一冊です。

「一汁一菜」に関する記事はこちらも▼
次回予告
次回は「身近にいる素敵な人生の先輩たち」について。
こんなふうになりたいなぁと思わせる、素敵な先輩たちの特徴や共通点などを考察してみたいと思います!

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