自分を大事にできるようになったきっかけ――“優しすぎる自分”を責めないで

生き方・終活

「自分を大事にできるようになったきっかけ」―季節の変わり目に思う、心と体のゆらぎ

こんにちは、40代独身フリーランスのユキマツリワラコです。

晩夏から初秋へ、季節の変わり目は体調も安定しにくく、心が揺らぎやすくなる時期ですね。

こんなときは、いつもよりもっと自分を大事にしたいと思います。

私が少しずつ「自分を大事にできるようになった」きっかけは、2年前から通っている漢方内科の先生の言葉でした。

漢方内科で言われた「優しすぎるね」のひと言―私の中で何かが静かに変わった瞬間

なんだかいつも体調が優れず、何か大きい病気が隠れているのではないかと不安を感じていた2年ほど前。知人の紹介で漢方内科に通い始めました。

初診で最初に言われたのは「内臓がとても冷えているね」ということ。

それから私は、冷たい食べ物を控えたり、先生に処方された漢方薬を飲んだり、勧められたお灸をしたりして、自分の体質改善に努めていました。

少しずつ内臓冷え症が改善されていった数ヵ月後、次に気になってきたのは自分の性格のことでした。不安になりやすい、落ち込みやすい性格も、もしかしたら冷え症と関係あるのかも?

そう思って「私の落ち込みやすい性格も、冷え体質と関係がありますか?」と尋ねたところ、先生から思いがけない言葉が返ってきました。

「それも多少はあるかもしれないけど、育ってきた環境とか、これまでの人生での経験が大きいと思う。ワラコさんは優しすぎるところがあるから、たぶん今まで他人を優先しすぎて、自分をいじめちゃうことが多かったんじゃないかな」。

先生のこの言葉に、私の心の奥で小さな波紋がそっと広がっていきました。

家族の中で“空気を読む”ことで身についた生き方―小さな私が背負っていたもの

先生の言う、私の「育ってきた環境」、そして「これまでの人生での経験」とは何だろう?心当たりを探ってみると、だんだんと幼少期のことを思い出してきました。

思い返してみると、私は子どもの頃からいつも家の空気に敏感で、常に気を張り詰めていました。

私の育った家は、周りから見れば、ごく普通の幸せそうな家庭に見えていたと思います。けれど、父は無口なのに理由がわからないまま突然怒ることがあり、母は持病の影響もあってか感情の波が激しい人でした。

小さい頃の私には、父と母の気持ちが読み取りにくく、いつ怒らせてしまうのではないかと常に不安がありました。

そして、家の雰囲気が重くなると、わざとふざけたり、おどけたりして笑わせて、その場を和ませようと小さな私は必死でした。

父や母の機嫌が悪くならないように、家の雰囲気が悪くならないようにと、無意識のうちに家庭の中でもいつも気を遣い続けていたのです。

今思えば、子どもなのに、子どもらしくいられなかったように思います。

そういえば、小学生の頃、そんな素振りはしていないつもりなのに、先生から「そんなに緊張しないで、肩の力を抜いて」と言われることがよくありました。

おそらく、家庭で緊張しつづけていた体のクセが、学校でも出てしまっていたのだと思います。

他にも、大学時代に友達の家にしょっちゅう泊まっていたことを思い出しました。

今まで自分でもその理由がわかりませんでしたが、これは緊張する家庭の環境から逃げたかったのでしょう。20年近く経って、やっとその理由に気づきました。

今振り返ると、それは周りに対する「優しさ」でもあり、自分にとっては「サバイバル」でもあったのです。

いろいろなことを思い出すと辛くなってしまうので、無理はしないようにしましょう🌷

「優しすぎる自分」を理解できた瞬間、涙が出た―環境の中で身につけた“サバイバル”としての優しさ

他にもいくつも思い当たることがありました。

本当に思っていることをなかなか言えないことや、人に甘えられないこと、自分が我慢すれば済むと思ってしまうこと、体の限界を超えるまで頑張ってしまうこと。

人には優しいかもしれないけれど、自分をいじめてしまうような不可解な行動は、「自分が悪い」「自分の性格のせい」だとずっと思っていました。

けれど、実はそうではなく、それは「環境の中で身につけた生き方」だったのです。

気づいた瞬間、私は涙が出ました。何の知識もなく、何もわからない中で、本能で自分を守りながら一生懸命に生き延びてきた小さな自分を抱きしめてあげたくなりました。

私は心の中で小さな自分を抱きしめました。そして「よく頑張って生きてきたね。えらかったね。もう大丈夫だよ。これからはずっと私が守ってあげるよ」と声をかけました。

優しすぎた自分を理解し、自分の過去をすべて認めてあげられた瞬間でした。

そして、この時から私の体は本当の意味で緊張から解放され、体も心も軽くなり、内臓の冷えも急速に改善されて、ぐんぐん元気になっていきました。

体と心はつながっていると実感しました!人間ってすごい✨

同じように悩むあなたへ―自分を責めないでほしい、3つの小さなヒント

いま一人で頑張っている方の中には、同じように「自分が悪い」「自分の性格のせい」と思われている方がいるかもしれません。

優しすぎるほど優しいのに、そんな「優しすぎる自分」をいつも自分で責めてしまう。そんな方がいたら、無理のない範囲でこんなことを試してみてほしいなと思います。

🌿自分の過去を否定せず「よくがんばってきたね」と認めてあげる

自分の不可解な行動にもちゃんと理由があります。

そうやって生き延びてきた自分を「よくがんばってきたね」とやさしく受け止めて、認めてあげてください。

🍀お風呂や温かい食事で体を温める

体と心はつながっています。体が温まって緊張がほぐれると、自然と心もほぐれてきます。

湯船につかったり、温かいごはんやお味噌汁、お茶を飲んだりして、体を温めて、心の緊張をほぐしてあげてください。

🌸安心できる人と過ごす時間を持つ

安心できる人と一緒にいると、体も心も緊張しにくくなります。

私にとっては仕事仲間のワラオがそんな存在です。仕事の時間は意外と長いので、プライベートだけでなく、仕事場にもそんな人がいると心強いと思います。

どれも小さなことですが、自分を認めて「自分を大事にする」第一歩になります。

心を支えてくれた1冊『ライフ・ヒーリング』―“自分を癒す力”を取り戻すために

私はいまでもこのことを思い出すと涙が出てしまいます。でも、それは悲しみではなく、「やっと本当の気持ちに触れられた」という安堵の涙のような気がします。

自分の過去と向き合うとき、私の支えになったのがルイーズ・L・ヘイさんの『ライフヒーリング』(LHTプロジェクト訳、たま出版、2012)という本でした。

この本には、自分の過去や、自分の本当の気持ちと向き合うためのワークがいくつも紹介されています。

自分や自分の家族、身近な人と心から向き合うことはとても勇気がいります。私も時間はかかりましたが、何度も読んでいるうちに、過去の自分を受け止め、認めてあげられるようになりました。

まとめ|今からでもちゃんと自分を大事にできる

家族の問題は、時間が経って初めて見えてくることがあります。私の場合は、両親を見送り、距離ができたからこそ客観的に見られるようになった問題もありました。

いくつになっても、離ればなれになっても、親と子どもの関係は続きます。それは、自分の心の中に親という存在を作っているからだと思います。

けれど、いくつになっても、その問題を解決するのに遅いということはありません

まだこれから何年も生きるのだから、その日々は楽しい方がいいに決まっている。周りも幸せでいてほしいけれど、まずは「私が幸せである」ことが大切。

 “優しすぎるあなた”に「今からでもちゃんと自分を大事にできるよ」と私は声を大にして伝えたい。それは、今の私が自分をちゃんと大事にできているからこそ思えるようになったことです。

改めて、みなさんは自分を大事にできていますか?「私、がんばりすぎかも」と思った方は、ぜひお風呂や温かい食事で体を温めて、心がホッとする時間をつくってみてくださいね。

みなさんが自分を大事にするために心がけていることがありましたら、ぜひコメントで教えてください。

次回予告

次回は、私が実践している「体を温める小さな習慣」について書きたいと思います。自分の体と心をやさしく整えるためのヒントになれば嬉しいです。

「やさしく生きていくためのヒント」シリーズはこちらから

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