『ザ・ロイヤルファミリー』を読んで考えた40代フリーランスが「継承」できるもの

生き方・終活

疲れた時はしっかり休もう

こんにちは、40代独身フリーランスのユキマツリワラコです。

最近は仕事が忙しかったのと、夏バテ気味だったということもあって、土日は体を休めるべく、家でのんびり過ごすことが多くありました。

疲れた時は、仕事と生活のバランスの見直し時。今日は久しぶりに仕事以外での読書を満喫していて出会った一冊をご紹介しつつ、この本を読んで考えたことをお伝えしようと思います。

読書の秋に出会った一冊『ザ・ロイヤルファミリー』

今回ご紹介するのは、この10月からTBS・日曜劇場でドラマがスタートすることで話題の早見和真の小説『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮社、2019)。

馬主と秘書の20年を描く傑作」と帯にも書かれているように、競馬の世界で生きる人々と競走馬たちとが織りなす時の流れ、そして家族や血統といった継承をテーマに描かれた壮大な物語です。

最近、仕事がきっかけで馬が好きになり、たまに競馬場にも足を運んでいた私。競馬を舞台にしたドラマが始まるらしいと噂に聞き、せっかくだからドラマが始まる前に原作を読んでみよう!とこの本を手に取りました。

読み始めると一気に引き込まれ、この先も読みたい、でも読み終わるのが惜しい!という気持ちで、あっという間に読了。特に馬主やその家族、関係者たちの思いが託されたレースの最高潮の場面では、登場人物たちの心の動きと緊張感、臨場感とで胸がいっぱいになり、涙が止まりませんでした。

ちなみに、「馬主」は「バヌシ」ではなく、正しくは「ウマヌシ」と読むことをこの本から学びました🐎

「継承」とは何を受け継ぐこと?血統だけじゃない

この本では、競馬で勝つことの難しさや、家族の人間関係の複雑さなども描かれていて、そのどれもが繊細な表現で真に迫り、深く共感することばかりだったのですが、その中でも大きなテーマとして現れてくるのが「継承」でした。

20年という時間には、その前後にあった人間の過去や未来も連なって、一人の人生、一頭の競走馬の命には収まりきらない大きな時の流れがあり、そこに「継承」すべきものがあるということに、とても感銘を受けました。

競走馬の継承というと「血統」です。競馬はブラッドスポーツとも言われるように、血統が最も重要視されます。そこにはもちろん倫理的な問題もありますが、とにかく強い馬を育てて勝たせ、その血統を残していくという過酷な世界があります。

一方、物語で描かれる馬主を中心とした人間の家族にも「家系」という継承があります。競走馬の世界も過酷ですが、競走馬をめぐる人間の世界もまた厳しい。お金や社会的地位、家族同士の関係と感情のもつれ……人間も葛藤しながらこの世を生きています。

作品の中で何度も出てくるこの「継承」という言葉。すでに両親が他界し、一人で生きている私には無縁のような、後ろめたいような気持ちがよぎる言葉です。

私はいま独身で、結婚願望は正直ありません。子どもは持たないと決めたので、親から受け継いだ血は自分で終わることになります。

個の視点、家族という規模で見れば血がつながらないのは残念なことなのかもしれませんが、私の個人的な気持ちとしては、この地球上で人間が続いていけばそれでいいと思っているのが本音。

けれど、物語の後半には、こんなシーンが出てきます。『有馬記念』という2500mのレースを勝たせようとしていたある一頭の馬の将来を話し合っている場面で、登場人物の一人が、この馬が「短距離馬になったとしたら、そこで潰えてしまうものってなんですか?何が継承されなくなる?」と問いかけ、それは「みなさんの思いに決まっている」と言うのです。

そうか、継承できるのは「血統」や「家系」だけじゃない、「思い」も継承できるものの一つなんだと思うと、自分にとって「継承するもの・されるもの」は何だろうかと考えが膨らんでいきました。

私には「血のつながりの継承」はない……でも、だからこそ考えたことがありました🕊️

自分を大事にして生きていくことも、立派な継承

私の体には、両親やご先祖様から受け継いだ血が流れていて、そこにはいいところもあれば、悪いところもあります。受け取り方にもよりますが、例えば、性格でいうと、真面目なところはいいところかもしれませんし、自分を犠牲にしがちなところは悪いところなのかもしれません。

この歳になるといろいろと気づくことがあって、私のこんな性格は親のここに似ている、そして、親のこんなところを見て私はこうやって育った、というところが見えてきます。

自分にとって苦しかったことは、実は育ってきた環境によるところもあって、親のせいなのでは、と思うこともありましたが、結局、その親にも育ってきた環境があり、誰が悪いわけでもないと思うようになりました。

そして、大切なことは、置かれた環境の中で、自分が一生懸命生きてきたことを認めてあげること、自分を大事にしてあげることだと思うようになりました。

私には子どもがいないので、次の世代に「継承」されるわけではないけれど、自分が苦しかったことは自分で終わりにしてあげて、自分の人生をやさしく生きていくことも「継承」のひとつの形であり、それだけでとても価値のあることだと思いました。

まとめ:「やさしく生きていくためのヒント」をつないでいきたい

このブログには「独身フリーランス、やさしく生きていくためのヒント」というサブタイトルをつけました。私が気づいた、自分を大事にすることの大切さや、自分にも周りにもやさしく生きていくために気づいたことを、このブログに残したいと思ったからです。

「継承」なんて大げさなものではないけれど、このブログを読んでくださった方が自分を大事にしてくださったら嬉しいし、このブログに書かれたことが「やさしく生きていくためのヒント」になったら嬉しい。何かしら残せるものがあったら嬉しいと、心の底からそう思います。

そして、このブログが10年続いて自分が50代になった時、その時を生きる40代の方にも「やさしく生きていくためのヒント」をつないでいけたらいいなぁと思います。

みなさんは、自分を大事にしていますか?どんなことをして自分を大事にしているか、ぜひコメントで教えてください。自分にやさしく生きていくためのヒント、ここで一緒に共有できたら嬉しいです。

私にとっては、この読書で得た気づきも「やさしく生きていくためのヒント」のひとつになりました。

次回予告

次回は、私が「自分を大事にできるようになったきっかけ」についてお話ししたいと思います!

「読書からの学び」シリーズはこちらから▼

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